遺言の基礎知識

遺言とは?・・・ 遺言者が、自分の死後の法律関係(財産、身分等)を、一定の方式に従って定める「最終的な意思表示」のことです。簡単に言えば、自分が死んだ後に、「財産は○○に残す」とか「実は認知した隠し子がいる」等、自分の相続人やその他の人へ伝えたいことを死ぬ前に残しておくことです。

 

欧米では、ご家族の為に「遺言」を残す・・・ということはごく一般的なことですが、日本では生命保険に加入はしても、「遺言」を書く人はまだまだごく少数派です。

でも本当にそれでいいのでしょうか?「遺言」が無かったが為にトラブルに発展してしまうケースは往々にしてあるのです。

 

では、具体的なケースを見てみましょう。
 
 

全て危険なケースばかりです。

 
ケース1:

もし相続人が2人以上いたら誰が土地建物を相続するのでしょうか?取り合いにはならないでしょうか?最悪は土地建物を手放さざるを得ないこともあり得るのです。

 
ケース2:

仲がいいのは貴方が元気だからではないでしょうか?子供達にもそれぞれ守るべき家族と生活があるのです。ましてその配偶者(本来相続人ではない)が意見をはさむようになってくると収拾がつかなくなることも十分あり得ます。

 
ケース3:

確かに子供がいない夫婦であるのなら、法定相続人は配偶者のみと考えるでしょう。しかし貴方の兄弟も法定相続人となる場合もあるのです。ケース1のように財産が土地建物のみの場合、残された配偶者は土地建物を手放さざるを得なくなることにもなりかねません。

 
 
上記以外にもこんな方には「遺言」を残すことをお勧めします。
 
 
 

 

 遺言はどうすればいいんだろう?


「遺言」は遺言者の死亡によってはじめて効力が生じます。ですから遺言者(既に死亡)に「遺言」の内容を確認するのは不可能です。(そりゃそうですよね・・・)

 

そこで、「遺言」の内容がその人の最終意思であることを確実にする為に、「遺言」を作成するにあたって非常に厳格な方式が決められており、民法の定める方式を満たしていない「遺言」は無効になってしまいます。

 

 

 遺言の方式   ※普通方式の場合

 
自分で書く・・・・・・・自筆証書遺言

 メリット

 手軽に書ける。費用が掛らない。

 デメリット

 法的不備により無効になることが多い。

 破棄、隠匿される可能性がある。

 
秘密にできる・・・・・・秘密証書遺言

 メリット

 遺言の内容を秘密にできる。

 デメリット

 法的不備により無効になることが多い。

 費用が掛る。

 
専門家が作るから安心・・公正証書遺言

 メリット

 効力が否定される可能性は極めて低く確実。

 原本が保管されているので改変、破棄、隠匿されることが無い。

 デメリット

 費用が掛る。

 




 

 これまでは、「遺言」による「生命保険金」の「受取人」の変更について法律上の規定はありませんでした。最高裁判例でも「保険金給付請求件は保険金受取人の固有の権利」としており、「相続財産」とは別のもの・・・という見解でした。ですから私共の実務上でも「受取人」を変更する場合は、本人が元気なうちに「受取人」の変更手続きを行うことをお勧めしており、やむを得ない場合を除いては「遺言」での「受取人」の変更は行わないのが常でした。

 「受取人」の変更が「遺言書」に記載されていた場合、「生命保険契約」で定めた「受取人」と、「遺言書」で新たに定めた「受取人」との間でトラブルになることが多く、保険会社としても手続きが進められず、「生命保険金」の支払いができずに滞ってしまうことも往々にしてありました。

 この度約100年ぶりに「生命保険」なるものが見直され、平成22年4月1日に「保険法」という法律が施行されました。ここで注目したいのが、この「保険法」の施行により、「遺言」で「生命保険金」の「受取人」を変更できるようになった。・・・ということです。

 

ただし何もかもができる・・・という訳ではありません。注意すべきポイントがいくつかあります。


1.適用されるのは、平成22年4月1日以降に締結された「生命保険契約」です。

 それ以前に締結された「生命保険契約」には原則適用されません。ですが今回の「保険法」施行を受け、保険会社の中には契約の約款等の変更を行い、「遺言」による「受取人」の変更が可能になっている場合もあります。

 

 また仮に適用される「生命保険契約」であっても、約款等で変更できる範囲が制限されている場合もあります(誰でも彼でもよし!という訳ではない)。もし気になるようでしたなら、一度契約保険会社に確認されるとよいでしょう。

 
2.「遺言書」自体が民法上の正しい方式で書かれていること(大前提)

 そうでなければ「遺言書」の有効性を確認する手続きが必要になったり、場合によっては保険会社に拒否される可能性もあります。確実さを求めるなら「公正証書遺言」をお勧めします。

 
3.「遺言書」の効力が発生したら、速やかに保険会社に連絡する。

 保険契約者(被保険者)が亡くなられ、「遺言書」の効力が発生したら速やかに保険会社に連絡にして下さい。この場合、「遺言書」で新たに定められた「受取人」、もしくは「遺言書」で定められた「遺言執行者」の方が行って下さい。それから保険会社との手続に入ります。ここで最も肝心なのは「速やかに」ということです。


 なぜならそのまま時間が経過すると、保険会社は「生命保険契約」によって定めた「受取人」に「生命保険金」を支払ってしまします。保険会社は一度支払ってしまえば、当然二度払いには応じません。ここから先は従来の「受取人」と新たな「受取人」間の問題になってしまいます。

 

 保険契約者(被保険者)が亡くなられた後、時間が経過してから「遺言書」が見つかった・・・というような場合におこり得る話です。特に「遺言書」の方式が「自筆証書遺言」の場合、遺族の方々が「遺言書」の存在を知らないことが多いですから要注意です。やはりここも確実性を求めるのなら「公正証書遺言書」をお勧めします。これならば「遺言書」の存在も、内容も明確にされていますのでより確実・安心です。

 

 
作成した「遺言書」の執行、保管等についてもご相談下さい。
 
 
※料金表は、こちらのページ(報酬額一覧)をご覧下さい。